京都観光をアップデート ~最高の想い出創出に挑戦~

「旅行者に最高の想い出を創出する」これをミッションにメンバー全員で追っかけています。

欧米豪人とアジア人の観光客が日本に求めているモノは?ニーズは根本的に違う

京都観光

「訪日観光客」と一括りにしてニーズを捉えてはいけない。

 私が住み、働いている京都では本当にたくさんの海外観光客の方々がおられます。またその国もたくさんあり、中国・韓国・台湾といったアジアの国を始め、アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアといった欧州豪の方々もおられ、多様性に富んだ街にここ京都はなっています。そんな京都でインバウンドマーケティング を行っている私が感じる各国毎の旅行者のニーズの違いを今日は紹介したいです。当たり前の事ですが、「訪日観光客が求めているモノ」と一括りで捉えていては全く的はずれなニーズの捉え方になってしまいます。マーケティングをする上でターゲットを絞ることは至極当然の事で、年齢・性別・旅行グループスタイルなどのカテゴリで切ることもできますが、その中でも「国」という切り口でターゲットのニーズを切リ分けることはマーケティング戦略を考える上で有効と考えています。年齢・性別など以上に、この「国」でのニーズが本当違います。私の経験を交えてそのお話しを今日はしたいと思います。

 

 

 

サービス紹介

訪日欧米人向け・舞妓お座敷体験イベントを通じて。

 まず始めに弊社が実施している訪日欧米人向けのイベントサービスを紹介させて頂きます。訪日欧米人向け舞妓お座敷体験イベント・"Enchanted time with Maiko"(エンシャンテッド・タイム・ウィズ・マイコ)は昨年2017年4月から開始したサービスになります。毎週月曜・火曜・木曜・土曜の18時~20時に京都祇園で開催をしており、夕食を召し上がりながら舞妓との歓談やお座敷遊びを楽しむという概要になります 。

 

"Enchanted time with Maiko"

www.travel-kyoto-maiko.com

 

 開始から1年半で延べ2,500人を動員し、トリップアドバイザーでも2018年のExcellence認証を得たサービ スになります。テレビや新聞、WEBといった様々なメディアにも紹介をして頂いています。「お客様の最高の想い出を創造する」をミッションに運営チームメンバー全員でこのミッションの世界観 を追っています。そんな"Enchanted time with Maiko"から得た各国の旅行者が求めているモノと、その課題について、私の経験を基に紹介したいと思います。

 

全世界ターゲット

サービス開始当初は全張りをしていた。

 2017年4月に当イベントを開始しましたが、イベント開始当初は国に対しては全張りをしていました。日本人観光客を始め、アジア、中華圏、欧米豪と全てのエリアのお客様を取り入れる前提でイベントのコンテンツを創り上げていっていました。半年くらい経って来たころ、一定のお客様の満足度は得れる様になって来たのですが、ただそれ以上に突き抜けた最高のお客様の想い出創造に繋げるというレベルには達しませんでした。今から振り返ると当然なのですが、その原因は各国のニーズの違いを汲み取れておらず、ただ「京都に来られる観光客」と一括りに求めているモノを見ていたからです。京都に来る人のニーズはみんな同じだ、と今から思えばマーケッターとして恥ずかしいくらいですが、当時はそう思い込んでサービス作りをしてしまっていました。結果、ある一定の満足度を得ることはできるのですが、「お客様の最高の想い出を創造する」といったミッションの世界観には及ばないというものでした。

 

各エリアのニーズ(求めているモノ)を紹介。

 この全張りをしてしまっていた期間は半年間ですが、その間に私が感じた各国のニーズを紹介します。一般調査のアンケートで得た情報では無く、"Enchanted time with Maiko"に来て頂いたお客様からのニーズ調査ですのでN数は少ないですが、参考になればと思いご紹介します。

韓国人が求めているモノ:

 韓国人は舞妓の写真を取りたいというニーズがかなり強いお客様が多いです。良い写真を取る為に一番前の席を希望されたり、演舞披露の際は、写真や動画を一生懸命取られる方の割合が多いです。一方で舞妓との歓談時間はさほど興味は持たれない感じで、一般的な質問を2.3して後の歓談はそれで満足、といった方が多いです。

中国が求めているモノ:

 中国人に方は食事にこだわりをお持ちの方が多いです。当イベントを開催している場所は雰囲気はある祇園のお料理屋さんですが、料亭では無いので料理は懐石料理ではなく、カジュアルな感じの日本食コースになります。欧米の方ですと満足を頂ける料理内容なのですが、中国の方は懐石料理でないということでがっかりさせてしまうお客様もおられます。また場所に関しても料亭の佇まいを期待されておられ、実際は前述通り料亭ではありませんのでその部分でもお客様にがっかりをさせてしまうことがあります。

欧米豪人が求めているモノ:

 このエリアの旅行者の方は、舞妓との歓談にすごく興味を示して頂けます。舞妓との歓談時間内では質問が絶えず、常に時間をオーバーしてしまいます。舞妓のパーソナラリティな部分に興味を持たれ、「なぜ舞妓になろうとしたの?」「舞妓の世界の1日の動きを教えて」「舞妓になって本当に良かったと思う時はいつ?」の様に、花街の歴史文化についてや、舞妓自身のパーソナリティな部分に大変興味を持たれます。また舞妓との歓談だけでは無く、接客スタッフとの会話もすごく楽しまれ、舞妓の歓談時間以上にスタッフとの会話に没頭にイベントの終始、スタッフと会話を楽しまれるというお客様もたくさんおられます。一方でお料理についてはそこまで深いニーズが無く、味が美味しいと感じて頂ければ懐石料理で無くても満足を頂けます。写真を取ることに関してもそこまで高いニーズをお持ちの方は少ないです。

 

 以上の様に、正式な調査では無くあくまで私たちが提供しているサービスから得られるお客様のニーズでありますが、国毎にニーズは本当に違います。これらニーズを抽象化してまとめると下記のことが言えます。

 

 韓国・中国を始めとしたアジアの方々は、日本の「モノ」に興味を持たれていると感じます。「料理」や「料亭」といったモノから日本の良さを感じ、また舞妓もどちらかというと歴史的な「モノ」と捉え、その結果、写真を取ることや、料亭といったハード面へのこだわりをお持ちになられているのかなと感じ取れます。一方で、欧米豪の方々は舞妓を「ヒト」として捉え、舞妓のパーソナライズな部分や、接客スタッフの人となりに大変興味を持たれます。その結果が歓談を楽しむという行動になっているのだと感じます。

 

各国ニーズ

日本に求めているモノの違いをしっかり認識。

 以上の様に、私たちが運営しているサービス上からで感じる各国のニーズを紹介しました。これはどの国がよくてどの国がいけない、では無く、各国の旅行者はそれぞれのニーズを持っているということです。私たちも上記の気づきを得てからサービスを欧米豪人に特化したコンテンツへと振り切りました。これは私たちのサービスの舞妓という特性上、欧米豪人へのニーズの方が捉えやすく、また欧米豪人にも求められやすいと判断した為で、もし舞妓以外のサービスであればターゲットを中国人や韓国人にしていた可能性ももちろんあります。欧米豪人に特化したコンテンツに振り切った後は、お客様の評価も高まり、トリップアドバイザーの順位もそのタイミングを気に、一気に順位アップにドライブがかかりました。

 

 この様に当然のことですが各国により日本に求めるモノは違いますので、誰に提供したいサービスなのかを考え、そのニーズと、提供するサービスの価値を近づけていく必要があると思います。このニーズをしっかり読み取り、そのニーズに対して、提供するサービスの価値がマッチした時に、本当のお客様の満足度を生み出すことができることになります。


 私もまだまだこの観光ドメインに参入して経験が浅いですが、京都に来られる観光客の方に最高の想い出を創ってほしいと心から思い、日々仕事をしています。その為にも京都の観光アップデートが必要で、このような気づきをこれからもたくさん事業を通じて発見していきたいものです。